V系

好きな人が好きな人を語ることについて~RR感想~

突然ですが、「もし今後、1つのアーティストの曲しか聞けないとしたら誰を選ぶ?」と聞かれたらあなたはなんと答えるでしょうか。
私は迷わずMALICE MIZERと答えます。
かつてGacktがボーカルをしていた頃のMALICE MIZERを、私は未だに好きでいます。
その一方で、私はゴールデンボンバーのファンでもあります。
これから綴るのは、マリスとゴールデンボンバー、世界観がまるで違う2つのバンドを愛した、一人のしがないファンの素直な気持ちです。

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2人のインタビューが載ったRR

ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が巻頭特集、MALICE MIZER(Moi dix Mois)のManaが巻末特集の「ROCK AND READ 077」が増刷されたそうです。私ももちろん購入しました。

私は双方のバンドのメンバーの中でも、鬼龍院さんとManaちゃんが特に好きなので、正直あと10冊くらい買っておきたい気持ちを抑えるのに必死です。
(本来Mana様と呼ぶべきでしょうが、小学生の頃からManaちゃんと呼び続けてきたので、こう書かせてください)

 

MALICE MIZERとは

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MALICE MIZER(マリスミゼル)を知らない人のためにざっくり説明すると、中世ヨーロッパのような世界観をもつ、90年代に活躍したヴィジュアル系バンドです。
代表曲は「月下の夜想曲」
ボーカルが何度か変わったんですが、一番広く知られているボーカルはGacktです。そうです、お正月の格付けに出てくるあのGACKT様です。

人気絶頂の頃に突然Gacktが失踪、脱退、ドラムKamiの急逝などが立て続けに起こり、その後もバンドは続きましたが、2001年に活動休止を発表、現在に至ります。
Gacktの失踪、脱退についての真相はいまいちハッキリしておらず、脱退後、Gacktと残ったメンバーが公の場で一堂に会したことはありません。
そのせいで、ファンの中でも、やり切れないわだかまりを未だに抱えている人が少なくありません。私もその一人です。

 

※ここから、ROCK AND READ 077のネタバレを含みます。まだ読んでいない方、楽しみにしておきたい方は引き返してください。

 

鬼龍院さんのインタビュー

鬼龍院さんのインタビューは、ゴールデンボンバーについてのことはもちろんですが、マリスの音楽についても語ってくれています。今回に限らず、鬼龍院さんはマリスの「月下の夜想曲」を聴いて、音楽に目覚めたと度々口にしています。

 

鬼龍院さんがマリスの名前を出すまで、MALICE MIZERのことを知らなかった人はたくさん居ると思います。
鬼龍院さんがマリスの曲をラジオで流したり、弾き語りをしたり、ライブでカバーしたり、全力でフザけたパロディPVをとったり、元ネタが分かる衣装で地上派の音楽番組に出たり、オマージュした曲を作ったりする度に、私はときに泣いて喜びました。
自分の好きな人が好きな人の話をすることが本当に嬉しい。

マリス以外にも色々なヴィジュアル系バンドのパロディをふんだんに詰め込んだPV。

鬼龍院さんのおかげで、MALICE MIZERが、ひいてはヴィジュアル系が、再び脚光を浴びるようになった部分がおおいにあると感じています。

 

鬼龍院さんはGACKTとは交流があるものの、マリスのメンバーとは全く交流がないそうです。
GACKTとライブやテレビ番組などで共演するときの、嬉しそうな鬼龍院さんを見るのが好きです。
でも、鬼龍院さんがいくらGACKTと親しくなっても、GacktがManaちゃんと仲違いしたままでは、素直に喜べない自分がいました。

 

Manaちゃんのインタビュー

Gackt脱退当時のインタビューで、マリスのリーダーであるManaちゃんが「批判が全部僕にくる。辛いですよ。」と語っていたことが、当時の私に刺さりました。刺さったまま、ずっとGacktに対して、複雑な思いを抱き続けてきました。
私はManaちゃんが好きだから、どうしてもManaちゃん側につきたくなってしまいます。でも真相がどうであれ、Gacktを完全に恨むこともできませんでした。
ただ、Gacktの居ないMALICE MIZERが、寂しかった。一人でどんどん別の輝きをみせてゆく彼が、逞しくもあり、同時に置いてけぼりをくらった気分でもありました。

 

でも、そのGacktに対するわだかまりが、RRのManaちゃんのインタビューを読んで、嘘のように無くなりました。

Manaちゃんから、Gacktに連絡をとったそうです。そのことを示した一文、たったそれだけで、救われました。

心のわだかまりのようなものが、薄らいできていましたから。

Manaちゃんがそう感じられるようになって、Gacktに連絡をとった。Gacktに会って、他のメンバーとも一緒に食事に出かけた。それを知れたことで、私の心のわだかまりも、涙と一緒に溶けて無くなりました。嬉しかった。本当に嬉しかった。
ずっと、ずっと、このままなのかと思っていたから。

結局、そのときにGacktを交えて計画していたライブはできなくなってしまったそうですが、それでも、また一緒にMALICE MIZERの世界を創りあげようとしたその事実がとても嬉しかった。

 

いつか並んで

普段は個々でバンド活動をしていたり、ひっそりと暮らしていても、時たま、メンバーが集まってMALICE MIZERとしてライブをしてくれることがあります。
でも、そこにGacktが来ることはありません。
頭では分かっていても、情報が出る度、私はどうしても、真っ先に彼の名前がないか探してしまいます。

MALICE MIZERは今年の9月、結成25周年記念ライブをおこないます。
その情報が出たときも同じように彼の名前を探しました。やっぱり、ありませんでした。

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生きているうちに、ManaちゃんとGacktが並んでいる姿を見たい。好きな人が、好きな人と並んでいるところを見たい。
もしいつかそんな日が来たら、そのときにはまた、鬼龍院さんがMALICE MIZERを語ってくれるといいな、と思います。

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好きな人が好きな人と一緒に居られること、好きな人が好きな人を語ってくれること、それは好きな人の音楽が聴けることと同じくらい、ファンにとってはとても、とても嬉しいことです。
「いつか」が来なくても、MALICE MIZERとゴールデンボンバー、2つのバンドに揺り動かされる日々を、噛みしめながら生きていきたい。そう思います。

 

おしまい

 

 <追記>
マリスの結成25周年ライブ、行ってきました。


 

ゴールデンボンバーの最新アルバム。マリスの「Le ciel」アルバムverを意識して作ったという曲も入っています。

 

MALICE MIZERメジャー唯一のアルバム。人生で一番のお気に入り。あんなに丁寧に扱っていたのに、眺めすぎたのか、ついにブックレットが剥がれ落ちました。

 

 10数年来のわだかまりを解消してくれた雑誌として、やはり追加で10冊ほど購入すべきなのではないか。本当にありがとうございます。

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湯屋こゆ
湯屋こゆ
読書とアニメと女性アイドルとヴィジュアル系バンドと百合が好きなヲタク。
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