姫乃たま著「潜行」は地下アイドルになりたい女の子が読むべき
どうも、湯屋こゆです(`∨´*)
私は1年くらい前から地下アイドルの現場にちょこちょこ通うようになりました。
そこで驚いたのは、メンバーの脱退の多さです。
入っては辞め、入っては辞め…活動期間が半年~1年なんてのはザラに居ます。
毎回毎回メンバーの脱退を残念に思うことに少し疲れてしまった私は、「辞めグセ」がついている地下アイドル界のことをもう少し深く知ってみたいと思いました。
そこで読んだのがこの本。
ちょうどKindle無料だったのでありがたくタダで読ませていただきました。
著者の姫乃たまさん自身も地下アイドルです。すみませんが、知りませんでした。
ゼロ年代、1 6歳のときに初めてステージに立ち、休業期間はあったものの、大学を卒業してもなお地下アイドルをしているそうです。
朝日新聞出版より『職業としての地下アイドル』が出版されました。約二年に渡って集めた地下アイドルとファンの方々のアンケートを、自身の経験を元に読み解いています。不慣れで緊張の連続でしたが、宮台真司さんの推薦文に力づけられました。https://t.co/nVbdK8oBoD pic.twitter.com/VSLzzgarNF
— 姫乃たま (@Himeeeno) 2017年9月13日
新しい本も出たみたいだけど、この雑なキリヌキは何…?
地下アイドルでフォロワーが3万人近く居るのすごいなぁ!と思ったら
フリーでライター業や司会など色々なお仕事をされているそう。
時にはその媒体がエロ本だったり、イベントがAV女優さんが出るものだったりして、AVに出演こそしないものの、地下アイドルがアダルトな界隈も渡り歩いているところが危うくて面白いです。
■そもそも「地下アイドル」ってなに?
地下アイドルとは「ライブハウスを中心に活動しているアイドル」のことで、そのライブハウスが地下にあることが多いから、「地下」がついたといわれています。(諸説あるようです)
ですが、おそらく「地下アイドル=売れてないアイドル」と思っている方が多いんじゃないでしょうか。
私もそう思っています。怒る人も居るでしょうがそんなイメージです。
でも自分が応援しているアイドルを「地下」と言われると、複雑な気持ちになります。
いずれにしても「地下アイドル」という響きにあまりいい印象はないのは確かです。
■どんな本なの?
この本は3部構成で、間に対談を挟んだりするんですが、特に目立つのは
・姫乃さん自身の地下アイドルとしての経験談
・姫乃さんの知り合いの地下アイドルの経験談
です。
これが非常に生々しく、ほの暗いです。
基本、知り合いの話の方が闇が深いんですが、姫乃さんもレコーディングを手掛けてくれた男性に体の関係を求められたり、鬱になったりと痛ましい話が度々出てきます。
でも、それらをケロッと書いているので、こちらも重く受け止めずサラリと読めます。
他に私が面白いと感じたのは「地下アイドル」と「のぞき部屋」と「ヲタサーの姫」の共通項を考察した章です。内容はぜひ本文で。
あとは姫乃さんのグラビアも拝めます。えっちです。
■地下アイドルになる前に読んでほしい
書き出しから暗雲が立ち込めています。
地下アイドルにも枕営業はあると思いますか?私は、ないと思っていました。
他にもAVや風俗など、おおよそアイドルの本とは思えない話題が出てきます。
キラキラした部分はほぼ描かれていなくて、衣装をファンに売ったり、整形のためにアイドル活動をしたり、メジャーデビューしても地下アイドルから抜け出せなかったりと、一癖も二癖もある話題ばかりです。
そしてこの本の面白いところは、ファン側の言葉も載っているところです。
中でもゾッとしたのがとある男性ファンがやっている
「地下アイドルのツイッターの裏アカウント(鍵つき)を見る方法」
裏技ではなく、きちんとフォロバをされて、ツイートを見ていました。この方法は知っておいた方がいいと思います…。
もちろん、この本に書いてあることが全てではありませんが、地下アイドルになりたいと思っている子は、事例を事前に知ることで、不用意に傷つくことを避けてほしいです。
■ファンはミーハーであれ
これはこの本を読んで私が出した結論です。
同級生の中にも、ちょっとした憧れや好奇心で地下アイドルになる子たちはいて、3ヶ月で辞め、1年で辞め…高校と同時に卒業していきました。
地上を目指す地下アイドルにも、女優や声優など、アイドルとは別の業種を目標とする人は多いです。特に将来の目標を持たず、部活の代わりや、正社員として働くかたわらで活動している人達もいます。
これらの文が表すように、いまや地下アイドルには誰でもカンタンになれて、カンタンに辞められる時代です。
私はすぐにアイドルになれることはいいことだと思います。
可愛い衣装を着てステージに立って踊って歌って、一瞬でも愛されて、それで自分に自信がついたり、憧れに近づけることはいいことです。
でも、一方ですぐに辞められることを押さえていなかった私は、メンバーの相次ぐ脱退に疲れ、新たにメンバーが加入してもどうせまた辞めるんだろうな、と素直に喜べなくなっていました。
自分の心の平穏を守るには、いろんなアイドルをそれなりに楽しむのがベストなんだな、と思いました。
少し冷たいけれど、アイドルを追いかけて疲れてしまうのは、やっぱり違うので。
■まとめ
・地下アイドル自身が書いた地下アイドルのほの暗い部分にスポットをあてた本
・重い話題でも誰も傷付かない文章のおかげでサラリと読める
・地下アイドルはすぐに始められてすぐに辞められる
元々別媒体に載せていたエッセイや卒論の加筆修正をまとめたせいなのか、流れにまとまりがなく、若干の読みづらさはありました。
地下アイドルの境界が曖昧なように、考察の末の結論もぼんやりとして曖昧です。
それでも彼女が地下アイドルの文化を楽しいと思っていること、ファンを大事にしていることは伝わってきます。
その証拠に、彼女の書いた文章ではアイドルもファンも、誰も傷付かないんです。
理不尽な目に遭ったことでも、決して相手をわるくは言っていません。
彼女の人気の理由のひとつは、「信頼できる地下アイドル」だからなんじゃないかなぁと思いました。
地下アイドルになりたい子、地下アイドル文化に興味のある人は読んでみてください。
Kindleだと無料で読めるけど、私の持ってるKindle Paperwhiteはモノクロでしか表示できないので、グラビアもモノクロでしか見れないのが残念…。週刊誌みたいで味があるけど。
Kindle Fire HDの人はカラーで見れるよ!
ではでは今回はこのへんで。
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これが私も使ってるペーパーホワイト。
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こっちがFire HD。